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カフェバッハ店主、田口の著書が「辻静雄食文化賞」を受賞致しました。

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左:石毛直道選考委員長 中央:田口護 右:辻芳樹校長



2012年5月24日、カフェバッハ店主、田口護の著書「田口護のスペシャルティコーヒー大全」が 「第3回辻静雄食文化賞」を受賞致しました。この賞は、よりよい「食」を目指してその目覚しい活動を通じ、新しい世界を築き上げた作品、または文化的活動を対象に贈られる賞です。



受賞理由


『科学的視点を加えた技術の理論化により、新たなコーヒーの価値観を確立し、コーヒー 技術書として、またコーヒー文化論としても完成度の高さが卓越している。また、日本の 伝統的なコーヒーの価値観と、現在のコーヒー市場を席巻しているアメリカ発のコーヒーの 価値観を融和しつつ並存させる試みとして、コーヒー業界の未来に期待を抱かせる』



田口より受賞のごあいさつ


この度、すばらしい賞をいただき大変喜んでおります。 まさか辻静雄氏の名を冠した賞をいただくとは思いもよりませんでした。 わたしは1985年から、大阪の辻調理師専門学校にコーヒーを教えに行く機会をいただきました。 当時はまだ「よいコーヒー」への認知は低く、学校をあげて真摯にコーヒーに取り組んでいただき、 大変うれしく大阪へ通ったのを覚えております。

わたしは、本を作るとき、いつも辻静雄氏と学校の皆さんの「食」に対する姿勢に刺激を受けました。 辻氏は日本に「フランス料理」を伝えようと尽力されましたが、わたしはその姿勢をとても尊敬しています。 なぜなら「フランス料理」と同様に日本には伝統がない「コーヒー」を根付かせるために努力していたわたしにとって、 すばらしい先輩に思えたからです。 辻氏との交流のおかげで、すばらしいフランス料理をたくさん味わう経験を得ました。 一流のフランス料理を味わい楽しむことが、コーヒー作りにも役立ちました。 フランス料理の世界は、料理を学ぶ人たちにとって基礎技術がよく共有されていました。

コーヒーの世界には残念ながら、そういった共通の基礎技術や価値規準が希薄でした。 そこで、2003年に「珈琲大全」を発表し、それまで培ってきたコーヒーに関する技術を公開しました。 コーヒーを扱う人、特に焙煎をする人が、適切に読み、訓練し、検証すれば、誰でもコーヒーの素材を見極め、 味香りを調節できるようにあらわしました。

受賞作は、その後の10年で注目が高まった「スペシャルティコーヒー」に特化した内容にしました。 実は、味香りの調節は、前の本の技術で十分対応可能でした。しかし、今回一歩踏み込んで、科学者の協力を仰ぎました。 技術者と科学者のすばらしいコラボレーションになったと信じております。 現在、さらに踏み込んだ第3部を準備中です。コーヒーを扱う上で、基礎科学にあたるような規準を共有することが目的です。わたしは、これらが誰でも使える共有財産になることを願っております。 今回の受賞は、そうしたコーヒー作りや技術公開が評価されたことで、大変励みになります。

また、これらの本作りは一人でできるものではありません。関わったすべてのスタッフと今回の受賞の喜びを分かち合いたいと思います。 総監督にあたるNHK出版の佐野朋弘さん、難しい技術者と科学者の対話を編集していただいた嶋中労さん、 小さなコーヒーの豆粒を表情豊かに撮影してくれたカメラの高橋栄一さん、 表組みや配色を見やすくしてくれたデザインの山崎信成さん、今回科学的部分の監修をお願いした滋賀医大の旦部幸博先生、撮影するコーヒー豆を用意した当店のスタッフの皆に改めて拍手を送りたいと思います。皆で作った本です。皆で使って、もっとコーヒーの楽しみを高め広めましょう。 最後に、1968年開店以来わたしのコーヒーを飲み続けてくださったすべてのお客様方に感謝申し上げます。本に書かれたことが机上の空論でないのは、皆様がそのコーヒーを今も日々楽しんでくださることで証明されているからなのです。



カフェ・バッハ店主 田口 護